フィリップス曲線

経済政策の2大目的 「低インフレ」と「低失業」は、トレードオフの関係にある。

 

経済を好転させると  失業率は  低下するが、インフレ率は上昇する。

逆に総需要を抑えると インフレ率は低下するが、失業率が  上昇する。

 

「インフレ」と「失業」のトレードオフ(負の相関、右下がり、反比例)

 

フィリップス曲線の導出

フィリップス曲線では、インフレ率は3つの要因がある。

・期待インフレ率   E[ΔP/P]

・循環的失業    β(U-Un) 自然失業率からの乖離

・供給ショック

 

オークンの法則

失業率 ⇔ GDPギャップ・・・負の相関

 

  ※GDPギャップ = 総生産 ― 総供給(通常の生産能力) 無理して作ってる

 

GDPギャップが高いとき

 ⇒失業率が低い(オークンの法則より)

 ⇒賃金上昇率が高い(フィリップス曲線より)

 ⇒インフレ率が高い

 

GDPギャップ ⇔ インフレ率・・・正の相関

 

 

長期フィリップス曲線・短期フィリップス曲線

長期: 定常状態、恒常的、自然、期待値通り

     (期待値が実現する定常状態)

 

短期: 年度、四半期などの1つの期間

 

 

インフレ率と失業率の短期的トレードオフは、期待インフレ率に依存する。

期待インフレ率が高くなると、短期フィリップス曲線は右上にシフトする。

長期フィリップス曲線は垂直か?

・古典派   ➝ 垂直 「自然失業率仮説」

・ケインジアン➝ 右下がり

 

定常状態:長期均衡 は、古典派の命題群が成り立つ

・Y=Yf 完全雇用

・貨幣の中立性

・貨幣数量説 M/P=一定

 

裁量かルールか

裁量:予想されない変更(場当たり的)

 

ルール:予め経済主体に周知した政策ルールに基づく

 

静学的期待形成(近視眼的期待形成):今年の物価は去年と同じ、今年のインフレ率は去年と同じ

 

合理的期待形成:経済的変数とその関係式から予測

 

【ファクト8.1】

「裁量的」金融政策は、期待形成が静学的(近視眼的)でも合理的でも景気変動を生み出す。

 

合理的期待形成 + 裁量政策 ⇒ ショックが発生してから長期均衡に向かう

   

静学的期待形成 + 裁量政策 ⇒ ショックが発生して、ゆっくり調整されて長期均衡に向かう

   

【ファクト8.2】

「ルール」金融政策は、期待形成が合理的であれば、景気変動を一切生み出さない。

                        (ショックは起きない)

 

「ルール」金融政策は、政策変更も含め、予め政策をルール化し、民間にアナウンス

 ⇒経済主体は、政策変更を事前に予測可能となる。すぐに期待値を修正することができる。