同様の危険にさらされた多数の経済主体が金銭を拠出して共同の資金の備蓄を形成し、各経済主体が現に経済的な不利益を被ったときに、その備蓄から支払を受ける制度。
【危険(リスク)】:偶然の事故による経済的不利益・損失を被る可能性
個人にとっては偶然の事象も多数の者についてみれば、ある一定の確率的法則がある。
【給付反対給付均等の原則】:
P = w × Z (P:保険料、Z:保険金、w:保険事故発生率)
【収支相当の原則】:
ここで、保険契約者総数:n、保険事故発生件数:r とすると、、、、
w = r / n となるから、P = r / n × Z となり、n P = r Z
純保険料 :保険金に充当するもの (上のPは純保険料)
付加保険料:事業費等(代理店手数料、人件費、物件費、利潤)
営業保険料:純保険料 + 付加保険料
種類名 | 説明 |
運営主体による分類 |
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公保険 |
運営主体が公的(国・地方公共団体)、強制的加入 【社会保険】医療保険、国民健康保険、年金保険、 雇用保険、公的介護保険、労災保険 【産業保険】中小企業信用保険、森林保険、 預金保険、住宅融資保険 |
私保険 |
私的自治に基づく保険 経営主体は私法人 加入は任意 |
加入の任意・強制による分類 | |
任意保険 | 私保険のほとんどは任意保険 |
強制保険 |
指導者賠償責任保険、原子力損害賠償責任保険、 船舶油濁損害賠償責任保険 |
運営主体の目的や組織による分類 | |
営利保険 | 商行為 株式会社 |
相互保険 | 非営利行為 相互会社 (類似制度:共済制度) |
保険の対象物による分類 | |
人保険 |
保険事故の客体が人 生命保険、傷害保険、疾病保険、介護保険 |
物財産保険 |
保険事故の客体が物 火災保険、自動車保険、責任保険、船舶保険、 |
給付方式による分類 | |
損害保険 | 保険金額が損害額に応じて決定(損害てん補型) |
定額保険 |
損害額とは無関係に約定した金額が支払われる (定額給付型) |
給付方式 | |||
損害保険(損害てん補型) | 定額保険(定額給付型) | ||
対 象 物 |
物財産保険 |
損害保険 |
— |
人保険 | 傷害疾病損害保険 |
生命保険 傷害疾病定額保険 |
※共済制度も保険法の適用を受ける
約款の内容の適切性確保 (不当条項をいかに排除するか)
⇒金融庁の認可
片面的強行規定 ⇒ 消費者に不利な約款は無効
【諾成契約性】・・・当事者の意思表示の合意によってのみ成立する契約
(⇔要物契約)
1回目保険料の払込は責任開始要件。成立要件ではない。
【不要式契約性】・・・意思表示が特定の要式によって行われない契約
申込書や保険証書は証拠保全が目的。成立要件ではない。
【射幸契約性】・・・保険給付が不確実な偶然の事故にかかっている契約
不労所得を目的として悪用されやすい
【善意契約性】・・・射幸契約性があるため、契約者に善意性および信義則を要求
告知義務、損害防止義務を課している。
【有償双務契約性】・・・当事者が互いに経済的負担、債務負担をする契約。
【附合契約性】・・・一方が決めた契約条項によってのみ契約内容を決定できる
約款:大量の契約を迅速・確実に処理する技術
当事者 |
説明 |
権利・義務 |
保険者 |
保険会社、保険事業者 保険事故発生の際、保険給付を行う義務を負う者 (共済など名称問わず) |
保険給付義務 |
保険契約者 |
自己の名をもって保険者と契約し、保険料支払い義務を負う者
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告知義務 通知義務 |
被保険者 |
損害保険:保険事故発生に際して、保険金の支払いを受ける者 生命保険:その者の生死が保険事故となる者 (契被別の場合、締結、受取人変更、請求権譲渡は同意が必要) 傷害疾病保険:その者の傷害疾病が保険事故となる者 |
通知義務 損害防止義務 |
補助者 |
説明 |
権利・義務 |
保険仲立人 (ブローカー) |
契約締結を媒介する者 保険者の代理人でも使用人でもなく、双方の補助者 |
契約締結権なし 告知受領権なし ベストアドバイス義務 書面交付義務 手数料・報酬の開示義務 |
保険代理商 (締約代理商)
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幅広い権限(契約による) |
契約締結権あり |
保険代理商 (媒介代理商)
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狭い権限 その知・不知≠保険者の知・不知 |
契約締結権なし |
保険外務員 |
勧誘に従事する者 保険者の使用人(雇用または委託) その知・不知≠保険者の知・不知 |
契約締結権なし 告知受領権なし |
保険診査医 |
被保険者の健康状態について危険測定上の 重要事項有無を診査する意思(雇用または委託)
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告知受領権あり |