使用者とは?
労働組合法上、「使用者」の定義はない
参考:労組法7条2号より
労組法上の使用者 = 労契法上の使用者
労働者とは?
【労働組合法3条】:職業の種類を問わず、賃金、給料その他これに準ずる収入によって生活する者
労働組合とは?
【労働組合法2条】:労働者が主体となって自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織団体または連合団体
労組法2条の適合性は以下の4項目で見る
駆け込み訴え:使用者が解雇されそうになり労働組合に加入する。
駆け込み訴えでも組合は、団交をする。
派遣先企業は、派遣社員が組織する組合とは、労働契約関係にはないが、
団交に応じなければならない。
ただし、交渉事項は労働時間や就業場所など派遣先が決定できるものに限る。
賃金などは派遣元と交渉する。
<義務的団交事項>
労働条件や待遇に関する事項 ⇒ 団交を強制される
<経営専権事項>
経営、具体的人事、生産に関する事項 ⇒ 団交に応じる必要なし
会社の合併はどうか? 合併は一見 経営専権事項と思われるが。
<判例>
それが労働条件、待遇に影響を与える限り、義務的団交事項にあたる。
例)
労働条件、待遇に影響を与える限り、義務的団交事項
使用者は労働組合からの団交申込を正当な理由なく拒否してはならない。
⇒団交応諾義務
単に交渉のテーブルにつけばよいわけではなく、組合に対する回答、資料の提出など
誠実交渉義務を負う
<判断基準>
交渉の時間・回数、説明が十分かなどにより客観的に判断。
次のような対応は、誠実交渉義務違反となる
労働協約の成立要件
労働協約に反する労働契約を無効とする効力
例1)労働協約 所定労働時間7時間
労働契約 所定労働時間8時間➝無効➝7時間とする
例2)労働協約 所定労働時間8時間
労働契約 所定労働時間7時間➝無効➝8時間とする
有利性原則は日本においては適用されず、
有利であれ不利であれ、労働協約違反を無効とする。➝両面的効力
<理由>
ヨーロッパ➝産業別組合➝各企業の状況を考慮できず➝契約による調整を認める。
日本 ➝企業別組合➝企業の状況を考慮できる ➝労働協約を尊重する
協約基準の設定 ➝ 組合の統制力強化 に寄与
チェックオフ、ユニオンショップ協定、団体交渉の手続き、配転や解雇に関する協議条項等
➝債務的効力を有する
<用語>
【チェックオフ】:組合費を賃金から天引きすること
【ユニオンシップ規定】:組合員であることを雇用条件としていること
労働者の待遇に関する規定部分は、規範的効力も債務的効力も有する。
<原則>
労働協約は、当事者(労働組合と使用者)のみを拘束。
非組合員や他の組合は拘束できない。
<例外>
【労働組合法17条】:労働者の3/4以上が加入する労働組合がある場合には、当該組合の樹立した基準で労働条件を統一 ⇒非組合員を拘束
労使が労働協約により自律的に労働条件を決定 ⇒ 協約自治 ←尊重すべき
労働条件を低下させるような協定 ⇒ 長期的・総合的視野で妥当と判断しての締結 ←尊重すべき
<例外>
協約自治の問題として取り扱うのが妥当でない場合⇒協約自治の限界←そのような不利益変更は無効