競争市場における企業

【完全競争】competitive market:

  • 市場に多数の売り手と買い手が存在する
  • 様々な売り手によって供給される財がほぼ同じ
  • 企業は自由に市場への参入と退出ができる

 

企業の収入

【平均収入】Average Revenue(AR):

総収入を販売量(Q)で割ったもの。AR = TR/Q

 

【限界収入】Marginal Revenue(MR):

1単位多く販売することによる総収入の変化分。MR = ΔTR/ΔQ

 

 

利潤最大化

利潤最大化の3つの一般法則

  • 限界費用 > 限界収入 : 生産を減らすべき
  • 限界費用 < 限界収入 : 生産を増やすべき
  • 限界費用 = 限界収入 : 利潤を最大化することができる

 

短期における操業停止の決定

市況が悪いため一時的に生産しないという短期の決定。

 

収入が可変費用よりも小さいとき、企業は操業を停止する。

TR < VC : 操業停止

P < AVC : 操業停止

 

操業停止しても固定費用はかかる。

サンクコスト(埋没費用)

Sunk cost:すでに投下されて回収できない費用。

意思決定の際に無視する。

 

固定費用は短期的にはサンク(埋没)しており、生産量の決定の際に無視しても問題はない。

 

例)居酒屋がランチを続けるかやめるか。

⇒やめても家賃や厨房設備のリース料は同じ。埋没しているので短期的にはサンクされている。

 

 

長期における退出および参入の決定

操業停止と異なるのは、固定費用も節約できる。したがって企業は、

 

収入が総費用を下回るとき、市場から退出する。

TR < TC : であれば退出

P < ATC : であれば退出

 

グラフによる利潤の測定

利潤 = (P-ATC) × Q

 

長期:参入と退出があるときの市場供給

参入と退出のプロセスは、平均総費用と価格は等しくなったときにのみ終了する

•市場に残る企業の経済学上の利潤はゼロになる(P= ATC)

 

なぜ競争企業は利潤がゼロでも事業を続けるのか

⇒総費用はすべての機会費用を含んでいるため、

 経済学上の利潤ゼロは、会計上の利潤は正となる。

 

まとめ

  • 競争企業は価格受容者なので、収入は生産量に比例する。
  • 利潤を最大化するために限界収入と限界費用が等しくなる生産量を選ぶ。
    したがって企業の限界費用曲線は供給曲線である。
  • 短期において価格が平均可変費用よりも低ければ、企業は一時的に操業停止する。
    長期において価格が平均総費用よりも低ければ、企業は市場から退出する。
  • 参入と退出が自由な市場では、利潤は長期的にはゼロで均衡する。
  • 需要の変化は、短期において企業の利潤や損失となるが、
    長期では企業の数が調整されて利潤はゼロで均衡する。