【世界価格】:世界市場で成立している財価格
【国内価格】:国内市場における財の機会費用
◆貿易がないときの均衡
◆国際貿易を許可するとどうなるか?
⇒世界価格と国内価格を比較することによって明らかになる
世界価格が国内価格よりも高ければ
世界価格が国内価格よりも低ければ
消費者余剰は Bがなくなり、Aのみになった ⇒厚生は悪化する
生産者余剰は B,Dが追加され、BCDとなった ⇒厚生は改善する(勝者)
総余剰は D部分が増加
全体の利益が損失を上回るという意味において、貿易は国の経済的福祉を向上させる。
消費者余剰は B,Dが追加され、A,B,Dとなった ⇒厚生は改善する(勝者)
生産者余剰は Bがなくなり、 Cのみとなった ⇒厚生は悪化する
総余剰は D部分が増加
全体の利益が損失を上回るという意味において、貿易は国の経済的福祉を向上させる。
交易は、輸入でも輸出でも人々を豊かにする
【関税】Tariff:海外で生産されて、国内で販売される財に課される税
(輸入国のみ課税し得る)
自由貿易なら 国内価格 = 世界価格
輸入材に関税を課すと、その分世界価格よりも高くなる。
輸入量を減少させ、国内市場を貿易前の均衡に近づける。
消費者余剰は C,D,E,Fがなくなり、A,Bのみとなった ⇒厚生は悪化する
生産者余剰は Cが増加し、 C,Gとなった ⇒厚生は改善される
政府の税収は、Eが増加 ⇒税収を得る
総余剰は D,Fが死荷重となるため、 ⇒総余剰は減少する
関税は、国内生産者の厚生を改善し政府に税収をもたらすが、その合計は消費者の損失よりも小さい。
◆雇用の議論
・外国との貿易によって国内の雇用が失われる
⇒自由貿易は雇用を喪失させると同時に雇用を創出する(職業スイッチ)
◆安全保障の議論
・その産業は安全保障のために必要だ
⇒安全保障について正当な重要性があるときには、その産業を保護することが適切
◆幼稚産業論
・新しい産業を立ち上げるには、一時的に貿易制限によって保護すべき
⇒どの産業を保護するかを選ぶことは難しい
⇒政治力を持つ産業が保護される
⇒「一時的」政策を廃止することは難しい
⇒幼稚産業が本当に成長するなら、企業は「一時的」損失を喜んで負うべき
◆不公正競争の議論
・自由貿易が望ましいのは、すべての国が同じルールの下にあるときのみ
⇒相手国が輸出を助成した場合、国内生産者は被害を受けるが、
国内消費者はそれ以上の便益を得る。
助成は相手国の税で賄われている。
◆交渉力としての保護の議論
・貿易相手国との交渉において、貿易制限はカードになる
⇒脅しが効かなかった場合、貿易制限をかけて自国の経済厚生を低下させるか
脅しを引っ込めて外交の威信を失う。
◆生産者はいつでも反対
自由貿易の受益者である消費者は、組織化されていないため生産者よりも声が小さい。
生産者は組織化されていて政治的影響力を持っているので声が大きい。
◆一方的アプローチ
貿易制限を自ら廃止する。 19世紀にイギリスが、最近では韓国やチリが実施。
◆多角的アプローチ
自国と他国が同時に貿易制限を緩和する協定を結ぶ(FTA)
GATT ➝ WTO 154か国が加盟