一定期間にその国の居住者と非居住者との間で、行われたあらゆる経済的取引を体系的に記録したもの
一定期間:一般的には1年だが半年や四半期などもある(フロー統計)
発生主義で記録 所有権が移転したとき(貿易では税関を通過したとき)
ファイナンシャルリースも所有権が移転したとみなして計上する
居住者と非居住者:国籍とは無関係 1年以上居住の者
あらゆる経済的取引:貨幣的決済、バーター(物々交換)、実物贈与、無償取引を含む
体系的に記録:複式簿記の原理によって記録(IMF独自のもので一般と異なる)
大項目 | 小項目 | 説明 |
経常収支 |
貿易収支 |
輸出と輸入の差、通関統計(CIF価格)を使用するが サービス収支である運賃と保険料は除いて集計する |
サービス収支 | 輸送・旅行・その他サービス | |
第一次所得収支 |
雇用者報酬 投資収益(投資そのものは金融収支) |
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第二次所得収支 | 無償の実物・金融資産の提供 | |
資本移転等収支 | 資本移転 | 無償資金援助(インフラ整備等)、債務の減免 |
非金融非生産資産 | 著作権・特許権・営業権 | |
金融収支 | 直接投資 | 支配・影響力を及ぼす(議決権の10%以上)の投資 |
証券投資 | 支配目的ではなく、外国株や外国債の購入 | |
金融派生商品 |
オプションのプレミアム、通貨スワップの元本交換差額、 金利スワップの金利・配当金・キャピタルゲイン |
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その他資本 | その他の金融取引すべて(現金・預金) | |
外貨準備 | 通貨当局が管理している対外資産 | |
誤差脱漏 | 統計上の誤差、貸借を一致されるための項目 |
国際収支表は、4つの大分類で記録される
①経常収支
商品・サービス・所得等の経常取引を計上する。4つある。
【貿易収支】:輸出と輸入の差額を記録
【サービス収支】:輸送・旅行・その他サービス
【第一次所得収支】:雇用者報酬・投資収益・その他第一次所得
【第二次所得収支】:対価を伴わない実物・金融資産の提供を記録
②資本等移転等収支
対価を伴わない取引を記録。資金援助。相手国の道路整備・ダム建設などの無償資金援助
債務の減免など
③金融収支
対外金融資産の取得処分にかかわる取引が計上される。
【直接投資】:他の経済圏の企業の議決権を10%以上取得するクロスボーダー投資
【証券投資】:資産運用目的の外国株・外国債の購入
【金融派生商品(デリバティブ)】:リスクを相殺するための金融商品
オプション・金利スワップ・通貨スワップなど
【外貨準備】:通貨当局が管理している対外資産。外国為替市場への介入などの目的
【その他投資】:上記のどれにも該当しない金融取引が計上される。
④誤差脱漏
統計上の齟齬を計上する項目。
輸出は通関統計、支払いは銀行のデータなど同時に把握されないため。
経常収支=[貿易収支]+[サービス収支]+[第一所得収支]+[第二所得収支]
金融収支=[直接投資]+[証券投資]+[金融派生商品]+[その他投資]+[外貨準備増減]
[経常収支]+[資本移転収支]-[金融収支]+[誤差脱漏]=0
借方 | 貸方 | ||
経常収支 | 金融収支 | 経常収支 | 金融収支 |
現金の受取 |
資産の減少 負債の増加 |
現金の支払 |
資産の増加 負債の減少 |