一国の通貨が他国の通貨と交換される場。
24時間世界中のどこかの市場が開いている。
銀行は対顧客市場と銀行間市場を仲介する存在。
A銀行が対顧客市場で300万ドル売超過となった場合、リスクを避けるため
300万ドル買ってスクエアにしたい。この状態を300万ドル売待ちになっているという。
B銀行が対顧客市場で300万ドル買超過となった場合、リスクを避けるため
300万ドル売ってスクエアにしたい。この状態を300万ドル買待ちになっているという。
この場合、銀行間市場でA銀行とB銀行が300万ドルの売買を行えばよい。
対顧客市場で生じた為替持ち高の過不足を銀行間市場で調整する。
上記のような銀行間の仲介を行う。
現在では地位が低下し、銀行間の直接取引が増加している。
輸出入企業:対外国のビジネスを行うグループ
輸出企業は外貨の先物売り契約
輸入企業は外貨の先物買い契約 を行う。
資本筋:生命保険、損害保険、年金基金、投資信託など。
投資需要に基づいて外国為替売買を行うグループ
長期の投資。低リスク。
投機筋:ヘッジファンド、運用枠を持つ金融機関ディーラーなど
売買益を狙い自らの経常取引を超えた為替取引を行うグループ
相場への影響大。
海外筋:本邦証券への投資、貿易等の経常取引の円手当のために円売買を行うグループ。
財務省や日本銀行も外国為替市場のプレイヤーになることがある。
市場介入:基礎的諸条件(ファンダメンタルズ)経済成長率、物価上昇率、国際収支など
に照らして、相場展開の行き過ぎを是正しようとする。
(1998年) (2018年)
世界の外国為替市場の取引総額:1兆4900億ドル ⇒ 6兆5900億ドル 4.4倍に増えた
世界貿易総額の60倍以上
取引種類の構成比
直物取引:30%
先物取引:15%
スワップ取引:50% (銀行のリスク管理で大きくなっている)
通貨スワップ:2%
オプション取引:3%
外国為替市場の取引シェア
ロンドン:43% 19世紀から世界最大金融センターだが近代もシェアを伸ばしている
ニューヨーク:16.5% 横這い
東京:4.5% バブル期にはニューヨークに並ぶ15%まで伸ばしたが低迷
シンガポール:7.6%
香港:7.6%
1日の取引量:3755億ドル(2019年)
対金融機関取引が94% (うち国内1/3、海外2/3)
対非金融機関取引が6% (うち国内7%、海外93%)
通貨ペア別取引量
ドル/円:56%
ユーロ/ドル:9%
ユーロ/円:10%
その他:25%
集中度(寡占度)
上位10行のシェア:73%と高い 上位20行では95%
外資系金融機関が外国為替市場のかなり大きなシェアを持っていると推測される。
買為替(輸出為替など)⇒外貨建て債券を持っていることになる
円高になると今より少ない円しか手に入らない
売為替(送金為替など)⇒外貨建て債務を持っていることになる
円安になると今より多くの円を支払わなければならない
※この例は為替差損だが為替差益もある。
買待ち :外貨建て債権>外貨建て債務
売待ち :外貨建て債権<外貨建て債務
スクエア:外貨建て債権=外貨建て債務
銀行は買待ちでも売待ちでもないスクエアにしたい。⇒持高調整
取引顧客が100万ドル輸出した場合、銀行は下記のように持高操作とスワップ取引を行い、
持高と資金ポジションを維持し、リスク管理している。
取引き | 状況・実施事項 | 為替持高 | 資金ポジション |
①原取引 | 100万ドル 先物買予約したような状態 | 買待ち | 変わらず |
②持高操作 | 100万ドル 直物売り | スクエア | 100万ドル減、1億円増 |
③スワップ取引 | 100万ドル 直物買い | 買待ち | 元に戻る |
100万ドル 先物売り予約 | スクエア | 変わらず |