通常の市場メカニズムで需給バランスから決定される。
円高 ⇒ ドルを多く買える ⇒ ドルの需要が高くなる
円安 ⇒ ドルを少ししか買えない⇒ ドルの需要が低くなる
円高 ⇒ 円を少ししか買えない ⇒ ドルの供給が少なくなる
円安 ⇒ 円を多く買える ⇒ ドルの供給が多くなる
クリーン・フロート:純粋に外貨の需給に委ねられている変動相場制
管理フロート:通貨当局が為替介入を行い変動を一定範囲に抑えようとしている
ダーティ・フロート:通貨当局が輸出を増やすために自国通貨安に誘導している
変動相場制度を採用する国でも、クリーン・フロー制を全面的に採用する国はほとんどない。
外貨の超過需給に対して、通貨当局が無制限に介入して相場を維持するもの。
ドルの需要が増加すれば、その分ドルを供給する=平衡介入
メリット:為替リスクが除去され対外取引が円滑になる
資本移動規制などを実施しないと相場の安定は達成できない。
外国為替資金特別会計(外為特会):介入資金を調達する仕組み
円高に対する介入
1.外為特会が政府短期証券を発行して国内金融市場から円資金を調達
2.その円資金を使って外国為替市場で円売りドル買い介入を実施
3.そのドル資金を外国金融市場で外貨建て債券を買って運用
円安に対する介入
1.外貨準備である外貨建て債券を取り崩してドル資金を入手
2.そのドル資金を外国為替市場で売って円買い介入を実施
3.その円資金を国内金融市場で政府短期証券の償還に使用する
外為特会の貸借対照表
<資産の部> <負債の部>
主に外貨準備 主に政府短期証券
為替介入は副作用として金融政策に影響を与える。
円売りドル買い介入 ⇒ マネーストック増加
マネーストックの増加は、金融緩和となりインフレーションの発生につながる。
インフレーションを防ぐために、国債の売りオペレーションを行い、
マネーストックの増加を抑える。これを不胎化という。
不胎化介入:売りオペを伴う介入
1990年代から断続的に介入が実施されている。
2003、2004年には大規模に実施。東日本大震災直後も80円割れの異常な円高に見舞われ
G7の通貨当局が協調介入を行った。
為替介入は一時的に効果があるものの長期的な流れを食い止めるには効果がない。
2011年10月31日の介入規模は、8兆722億円
東京インターバンク市場の1日の取引高の6割弱であったが、
世界の外国為替市場の規模からみるとわずか3.4%であった。
⇒1国のみの単独介入よりも他国を巻き込んだ協調介入の方が効果的
口先介入:政策担当者の言葉をうけて、政策実行の期待によって相場が動くことがある。
(アナウンスメント効果 シグナル効果)
市場機能を歪めてしまう可能性もある。