産業革命以後、まず先進国で、その後発展途上国でも人口転換(後述)が進み、
人口爆発が生じた。
2005年、日本は初めて人口の自然減 人口減少時代に突入。
2011年 世界人口は70億人を突破。 世界では現在も人口増加中
人口増加=自然増加+社会増加
自然増加 | 出生数-死亡数 | 自然増加率=出生率-死亡率 | |
社会増加 | 転入数-転出数 |
先進国・・・経済協力開発機構(OECD)加盟国を先進国としている。
(2011年末現在、34カ国)
発展途上国・・・OECDが作成する「援助受取国リスト(DACリスト)」第I部に
記載されている国及び地域
人口密度…世界の人口密度は1k㎡あたり約50人(2010年)
人口分布はべき乗分布に従う
・人口の増加(時間軸)
・各国の人口(降順)
エクメーネ(居住空間)
アネクメーネ(非居住地域)…寒冷地域・高山地域・砂漠など 全陸地面積の約10%
(極限界、高距限界、乾燥限界)
合計特殊出生率(TFR:Total Fertility Rate):
1人の女性が生涯に何人子供を産むかを示す数値。
現在の人口を維持するためには2.1前後が必要とされる(人口置換水準という)。
日本では「西高東低」「太平洋沿岸>日本海沿岸」「農村>都市」
乳幼児死亡率 :
1歳未満の乳児と6歳未満の幼児の死亡率。
途上国ではその死亡率が高い。医療水準の向上や公衆衛生の改善により低下する。
人種別で合計特殊出生率に差がある
ヒスパニック > 黒人 > アジア系 > 白人
1人当たりのGDPが高い国ほど合計特殊出生率が低い。(負の相関)
ただし1人当たりGDPが2万ドルを超えると逆転する(正の相関)
年少人口・・・・・15歳未満の人口
生産年齢人口・・・15歳以上65歳未満の人口
老年人口・・・・・65歳以上の人口
※従属人口・・・年少人口+老年人口
総人口に占める老年人口の割合 | ||
高齢化社会 | 7%超 | |
高齢社会 | 14%~21% | |
超高齢社会 | 21%以上 |
人口ボーナス期・・・ 生産年齢人口 ÷ 従属人口 ≧ 2 経済成長が加速しやすい
原則 1国に1度しか生じない
人口オーナス期・・・逆に従属人口が増えて、生産年齢人口が少なくなる状態。
可処分所得減少、貯蓄率減少、デフレ、国家財政逼迫につながりやすい
人口が食糧・経済力や生活空間に対して均衡を失ったときに生ずる問題の総称。
先進国・・・少子化や高齢化、移民
途上国・・・過剰人口による飢餓や貧困
どちらも・・・都市への人口集中
が問題となっている
人口が爆発的に増加する現象。
第1次人口爆発:産業革命期のヨーロッパ・北アメリカ
第2次人口爆発:第二次世界大戦後の発展途上国
医療の普及による死亡率の急減に対し、高い出生率が続いたために生じた。
人口抑制政策:出産の年齢や回数を規制
中国 一人っ子政策(1980年代~)
(問題点)男女性比の歪み、小皇子、黒孩子、失独家庭など
人口移住政策:過密地域から過疎地域へ人口移動を誘導する政策。
ロシアにおけるシベリアなどへの移住
中国における漢民族の移住政策
インドネシアにおけるトランスミグラシ政策 などが代表例
都市への集中→
途上国では、農村から職を求めて都市部へ大量人口移動
貧困街の形成やインフォーマル・セクターの発展などが問題視されている。
少子化→出生率の低下により子供の数が減少すること。
原因:女性の晩婚・晩産化、育児・教育費用の増加、
住宅確保の難しさ、将来への不安感
経済成長に必要なこと
・生産年齢人口の増加
・資本ストックの増加
・生産性の向上
高齢化→総人口に対する65歳以上の老年人口の割合が大きい社会。
先進国に多くみられる。高齢者福祉の施策の必要性、
若年層の扶養費用の負担増などが問題となっている。
過疎 →農山村地域から人口が流出し、活力が乏しくなった状態
商店・学校・医療機関などが閉鎖されて、社会生活を維持困難
市町村数では半数近く、面積では国土の6割弱を占めている。
(平成27年度総務省調べ)
挙家離村:単身離村に対する用語で、家族全員が村を去り移動すること
農村部の過疎化にともない僻地でみられる。
かつて東北日本は「単身離村型」,西南日本は「挙家離村型」といわれた.
限界集落:65歳以上の高齢者が集落人口の過半数を占める状態
全国の集落の12.6%は限界集落(2006年)
消滅自治体なる用語も見受けられる。
都市(Urban area) ⇔ 田園地域(Rural area)
Jacobs(1969)都市とは:
多種多様な人間が集まって絶えず接触しながら情報の交換を行い,
互いに刺激を与え合うことのできる地域であり,
そこにおいてこそ独創的なアイデアや新しい技術が生まれ,
持続的成長が可能になる場所である.
経済学で扱う都市の定義:
他の地域に比べて高い人口密度をもち,高密度の土地利用がなされていて,
新しい情報・財・サービスが生産される場所.
また,産業構造でいえば,第2次産業や第3次産業が集中している地域。
世界人口の50%が都市に住む
先進国≒都市化率が高く、途上国も都市化が進展している。
合計特殊出生率はルーラルの方が高いが都市に人口が流れている。
社会増加がメイン
各国で都市化率の基準が異なるので、統計を見る際は注意が必要
都市化率 = 都市人口 / 人口
日本での都市人口定義 = 人口集中地区(DID、Densely Inhabited District)
下記2条件を満たす地区
・(密度基準)人口密度4000人/㎢の調査区が市町村内で隣接し
・(規模基準)全体として、人口5000人以上の規模で構成させる地域
経済発展に伴い、産業の高度化が進展。
第2次・第3次産業は主に都市で営まれるため。
ペティ=クラークの法則
収益は、農業 < 工業 < 商業 の順に高くなる
経済発展につれて就業人口も同様に
第1次産業(農業)→第2次産業(工業)→第3次産業へと移る
ルイスの転換点
工業化によって、農業部門の余剰労働力がなくなる状態をいう。
工業化前の社会においては農業部門が余剰労働力を抱えている。
工業化が進展すると、農業部門から工業部門へ余剰労働力の移動が生じる。
そのプロセスが進むと、いずれ農業部門の余剰労働力はなくなり、
工業部門により農業部門から雇用が奪われる状態となる。
途上国の都市化
【農村】 人口爆発 農作業の機械化 余剰労働力の増加
↓ Push型の人口移動
【都市】 受け皿が未発達 スラムの形成
先進国の都市化
【農村】 余剰労働力の存在
↓ Pull型の人口移動
【都市】 商工業の発達 労働力需要の増大
都心の地価高騰
↓ Push型の人口移動
【郊外】 ニュータウン建設(ドーナツ化)
まとめ
都市化は産業構造の高度化と密接に関連
→農村部より都市部のほうが生産性が高い傾向にある。なぜか?
・産業による説明・・・農業<製造業<サービス業
・ 社会インフラの共通利用(資本ストックの効率化)?
・技術・知識のスピルオーバー(学習効果)?
・イノベーション(革新)創出の場として「都市」