財政の役割は、市場経済の補完であり、次のような機能がある。
財政の役割(機能) | 説明 |
資源配分機能 | 公共財を効率的に公平に提供すること。非排除性・非競合性や外部性がある公共財は、市場で最適に供給することは困難であるため、政府の介入による最適な配分が期待される |
所得再分配機能 |
国民の最低限度の生活水準を保障したり、所得分配の不平等を是正する。 累進所得税・相続税・法人税・雇用保険・年金・地域間資源移転 |
経済安定化機能 |
インフレーションや失業を解消する。 ビルトインスタビライザーや裁量的なフィスカルポリシー |
予算の機能 | 説明 |
統制機能 | 行政府が国民の意思による統制の下で事業を執行する |
管理機能 | 国民の望むサービスが最小の費用で最大の効果を発揮できるようにする |
計画機能 | 政府が中長期計画を円滑に遂行できるようにする |
予算の機能を果たすために、予算原則がある(ベースとなるルール)
予算原則 | 説明 |
完全性 | 予算の収入と支出は漏れなく計上しなければならない |
ノンアフェクタシオン | 目的を拘束することなく、すべての収入と支出を1つの会計で処理する |
限定性 | 特定の事業を決められた金額で決められた期限内に執行する |
公開性 | 予算は国民に公開されなければならない |
予算のプロセス | 説明 |
編成 |
各省庁が財務大臣に概算要求⇒財務省原案⇒閣議⇒復活折衝 ⇒政府案⇒国会決議⇒成立 |
執行 | 使う 管理機能を発揮する |
決算 | 各省庁の報告⇒決算作成⇒閣議決定⇒会計検査院検査⇒国会審議 |
予算の種類 | 説明 |
一般会計 | 社会保障・外交・教育など政府の主要な経費を扱う |
特別会計 | 経理内容の明確化や行政効率向上のため、特定の歳入・歳出を一般会計から区別して処理する |
政府関係機関の予算 | 日本政策金融公庫・沖縄振興開発金融公庫・国際協力銀行・国際協力機構 |
財政投融資計画 | 財政融資・政府保証・産業投資の計画 |
アダムスミスの4原則、ワグナーの9原則が知られているが、今日ではそれらを受け継いで
公平性・中立性・最小徴税費を租税原則としている。
租税原則 | 説明 |
公平性 |
水平的公平や垂直的公平が考慮されていること
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中立性 | 税が消費行動や労働と余暇の選択や生産活動を歪めてはならない |
最小徴税費 | 徴税側の経費のみでなく、納税側の協力費も最小であるべき |